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2021年4月30日 (金)

月刊『本の雑誌』にふたつの記事

Honnozasshiframe 先日はWeb本の雑誌で公開された『丸い地球のどこかの曲がり角で』についての記事をご紹介したが、今回は月刊の書評誌の方のお話。『本の雑誌』5月号に『丸い地球のどこかの曲がり角で』を取り上げた記事がふたつ載った。

ひとつめは〈新刊めったくたガイド〉という新刊案内に藤ふくろうさんが書いてくださった紹介。
「巨大ハリケーンをモチーフにした亡霊小説『ハリケーンの目』など、フロリダの土地に根差した作品がすばらしい。フロリダの見方が変わる、フロリダ・ゴシック小説」というまとめがついている。
ふくろうさんはその後、土地のサーガとして『丸い地球のどこかの曲がり角で』を紹介するブログを書いてくださいました。題して、丸い地球のどこかの曲がり角で』ローレン・グロフ|フロリダ、ワニと亡霊が蠢く異形の土地 -


もうひとつは、英文学者、翻訳家、エッセイストである青山南さんの連載エッセイ〈南の話〉だ。通算279回目となる今回のエッセイの題は「ワイルドな子、ガミガミ女」。コロナ禍で旅行も楽しめない中、かつてアメリカ南部をまわったときに行かなかったフロリダをテーマにした映画と本を楽しんだ、という内容で、ワイルドな子というのはご覧になった映画の登場人物のこと。ガミガミ女は『丸い地球のどこかの曲がり角で』の冒頭の短篇にちなんだ言葉。この短篇集に出てくるひと筋縄ではいかない主人公たちのエネルギーが伝わってくる楽しいエッセーになっている。読み物としておもしろいので、興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。
個人的には、翻訳を仕事にしようと考えはじめたころに、青山南さんの『アメリカ短編小説興亡史』などの本を教科書代わりに、アメリカの短篇小説を片っ端から読んだ時期があったので、非常に感慨深い。

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2021年4月13日 (火)

「WEB本の雑誌」今週はこれを読め! に書評

Webhonnozasshitrim 丸い地球のどこかの曲がり角で』が「WEB本の雑誌」3月1日号 〈今週はこれを読め! ミステリ編〉で取り上げられた。

  死と生が表裏一体の短篇集『丸い地球のどこかの曲がり角で』
「 今回紹介するのは、ジャンルに属する作品とは言えないが、ミステリー・ファンが読んだらとりこになることは間違いない一冊である。ローレン・グロフ『丸い地球のどこかの曲がり角で』(河出書房新社)だ。

書いてくださったのはミステリの書評で知られる杉江松恋さん。
Web上のさまざまなニュースサイトに転載されたので、すでにご覧になった方もいらっしゃるかもしれないが 、まだの方はどんな本なのかがとてもよくわかる書評なのでぜひ。

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『丸い地球のどこかの曲がり角で』刊行

Floridaframe最新の拙訳書、ローレン・グロフ作『丸い地球のどこかの曲がり角で』が出た。
2018年刊の『Florida』by Lauren Groff の全訳だ。
ローレン・グロフと言えば、オバマ元大統領が絶賛した長篇小説『運命と復讐』の作者として知られるが、今回刊行されたのは11の作品を集めた短篇集。
長篇と違ってひとつひとつの作品が短いうえに、バラエティに富んだ内容なので、楽に読むことができる。

原書はストーリー・プライズ賞を受賞したほか、全米図書賞とカーカス賞の最終候補になり、世界13ヶ国で翻訳された。
日本語版は表紙(ヒグチユウコさん装画、名久井直子さん装丁)もすばらしいので、ぜひお手に取ってみていただきたい。

『丸い地球のどこかの曲がり角で』
 ローレン・グロフ 作 光野多惠子 訳
 河出書房新社 刊  3,300円
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※本の内容がよくわかる書評はこちら
※光野多惠子のプロフィールはこちら

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ブログ更新のおしらせ

新しい翻訳書『丸い地球のどこかの曲がり角で』を紹介しようと、このブログを開いて驚いた。
前回の投稿はなんと3年近く前! この本の原書『Florida』がアメリカで刊行されたというおしらせだった。
翻訳している間は集中しなければならないので、ほかの作業ができなくなりがちとはいえ、さすがにこれは……。読んでくださっていたみなさん、失礼しました。
ちょっと言い訳をさせていただくと――翻訳作業と大学の授業のオンライン化が重なって、手いっぱいになっている間に、あまりにもいろんなことが変わってしまった。いまや全盛となったスマホによる閲覧だと画面の大きさが全然ちがうので、それに合わせて内容を考え直さざるを得ず、投稿サイトもリニューアルされ、さらにスマホではhttpのサイトには「安全ではありません」という警告が出るようになった。
そんなもろもろの問題の調整をしていたため、遅くなりましたが、新刊書の案内でブログを更新いたします。お読みいただけたらうれしいです。
ちなみに、このブログはhttpsで始まるUrlに変えました(旧Urlから自動的に転送されるはず)。翻訳書紹介のページはいまのところhttp。

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プロフィールと翻訳書

Booksframe文芸翻訳家、光野多惠子のブログです。
おもに翻訳した本のことを書きます。
最新刊はローレン・グロフ作『丸い地球のどこかの曲がり角で』。刊行のご案内はこちら
ほかにローレン・グロフ作『運命と復讐』、ライオネル・シュライバー作『少年は残酷な弓を射る』、ロバート・B・パーカー作『勇気の季節』、ルース・ホワイト作『ベルおばさんが消えた朝』、ジャネット・S・アンダーソン作『最後の宝』など。
詳しくは翻訳書一覧(現在はhttps未対応)をご覧ください。本の購入もできます。

※スマホでこのブログを見たところ、「プロフィール」が見当たらなかったので、あわててこの記事をつけ加えました。PCでご覧の方にとっては情報がダブった形になっていると思いますが、どうぞあしからず。

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