月刊『本の雑誌』にふたつの記事
先日はWeb本の雑誌で公開された『丸い地球のどこかの曲がり角で』についての記事をご紹介したが、今回は月刊の書評誌の方のお話。『本の雑誌』5月号に『丸い地球のどこかの曲がり角で』を取り上げた記事がふたつ載った。
ひとつめは〈新刊めったくたガイド〉という新刊案内に藤ふくろうさんが書いてくださった紹介。
「巨大ハリケーンをモチーフにした亡霊小説『ハリケーンの目』など、フロリダの土地に根差した作品がすばらしい。フロリダの見方が変わる、フロリダ・ゴシック小説」というまとめがついている。
ふくろうさんはその後、土地のサーガとして『丸い地球のどこかの曲がり角で』を紹介するブログを書いてくださいました。題して、『丸い地球のどこかの曲がり角で』ローレン・グロフ|フロリダ、ワニと亡霊が蠢く異形の土地 - 。
もうひとつは、英文学者、翻訳家、エッセイストである青山南さんの連載エッセイ〈南の話〉だ。通算279回目となる今回のエッセイの題は「ワイルドな子、ガミガミ女」。コロナ禍で旅行も楽しめない中、かつてアメリカ南部をまわったときに行かなかったフロリダをテーマにした映画と本を楽しんだ、という内容で、ワイルドな子というのはご覧になった映画の登場人物のこと。ガミガミ女は『丸い地球のどこかの曲がり角で』の冒頭の短篇にちなんだ言葉。この短篇集に出てくるひと筋縄ではいかない主人公たちのエネルギーが伝わってくる楽しいエッセーになっている。読み物としておもしろいので、興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。
個人的には、翻訳を仕事にしようと考えはじめたころに、青山南さんの『アメリカ短編小説興亡史』などの本を教科書代わりに、アメリカの短篇小説を片っ端から読んだ時期があったので、非常に感慨深い。
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