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2011年3月16日 (水)

いま文学者ができること

いま文学者ができること

 金曜日に東日本大震災が起き、いままでにない恐ろしい揺れを体験してから5日間。
 都内にある我が家は、本棚から本が落ち、たくさんの窓が勝手に開いてしまうといった程度の被害で済んだ。一時連絡が取れなくなった家族も、夜になって無事に帰宅した。
 だが、被災地の惨状には言葉もない。
 原発事故の行方も不安だ。昨夜あたりから、また余震が増えてきた気もする。被災はしていないけれど、停電情報と物不足にふりまわされ、無力感に押しつぶされそう……。
 そこで、電気を使って申し訳ないけれど、思い切ってCDをかけてみたら、魔法のように気持ちが明るくなった。やっぱり音楽の力はすごいと思った。
 こんな時、文学はいったい何ができるのだろうか?
 そう思っていたら、被災地にいる出版関係者、さかなさんが自らのブログ1day1bookで、アメリカの文学者のメッセージを紹介してくれた。『ゲド戦記』の作者アーシュラ・ル=グィンが日本の読者に宛てて書いたもので、ル・グィンの作品の翻訳者でもある谷垣暁美さんが翻訳している。アクセスできる方には、ぜひご自分で読んでみていただきたいので、とりいそぎアップした次第。
 作家の絲山秋子さんも3月14日の日記に書いているが、文学に関係した仕事をしている者は、被災地を思って悲しみ、祈りながら、一方では黙々と自分の仕事を続けていくしかないのかもしれない。ル・グウィンのメッセージを読んでも、同じことを思った。そのことによって直接災害復旧に貢献できるわけではけっしてないし、だからこそみな無力感にさいなまれているのだが。
 

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