2010年1月 1日 (金)

謹賀新年!

      あけまして、おめでとうございます。
      2010年が、みなさんにとって
      よい年になりますように!
       01
 
 

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2009年12月29日 (火)

三省堂名古屋テルミナ店でSF&ミステリフェア

 いま、三省堂名古屋テルミナ店で「SF&ミステリフェア」という催しが開かれている。
 売りは、著訳者直筆のPOPが多数飾られていること。
 じつは私も拙訳書『われらがアウルズ (ハヤカワ・ノヴェルズ) 』=ロバート・B・パーカー作のPOPで参加している。
 早川書房が出品しているのは次の31点ということだが、よく見ると、なかなかのラインアップ。私のは別として(笑)、直筆POPを見て歩くだけでも楽しそうだ。
 名古屋近辺にお住まいの方はぜひ行ってみていただきたい。

 早川書房のニュースリリースはこちら。写真も出ている。

『今日の早川さん』COCO
『ミリオンダラー・ベイビー』東理夫
『レインフォール』池田真紀子
『ヒルダよ眠れ』宇佐川晶子
『老人と宇宙』内田昌之
『教会で死んだ男』宇野輝雄
『Self-Reference ENGINE』円城塔
『メアリーケイト』公手成幸
『天冥の標』小川一水
『アイ・アム・レジェンド』尾之上浩司
『沈黙の教室』折原一
『ミスティック・リバー』加賀山卓朗
『ミストボーン』金子司
『町でいちばん賢い猫』茅律子
『アンブロークンアロー』戦闘妖精雪風 神林長平
『深海のYrr』北川和代
『ボトムズ』北野寿美枝
『怪盗ニック対女怪盗サンドラ』木村二郎
『ザ・ロード』黒原敏行
『あなたに不利な証拠として』駒月雅子
『アリバイのA』嵯峨静江
『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』佐々田雅子
『テンプル騎士団の古文書』澁谷正子
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』小尾芙佐
『永遠の森』菅浩江
『駅神』図子慧
『ダイロンの聖少女』高千穂遙
『夢幻紳士回帰篇』高橋葉介
『八百万の死にざま』田口俊樹
『霊峰の門』谷甲州
『探偵になりたい』田村義進
『新・幻想と怪奇』仁賀克雄
『太陽の簒奪者』野尻抱介
『青と黒』延原泰子
『図書館ねこデューイ』羽田詩津子
『ボストン、沈黙の街』東野さやか
『荒野のホームズ』日暮雅通
『第四の扉』平岡敦
『くじ』深町眞理子
『襲撃待機』伏見威蕃
『奇術師』古沢嘉通
『われらがアウルズ』光野多恵子
『夢の樹が接げたなら』森岡浩之
『ひとりっ子』山岸真
『イリュミナシオン』山田正紀
『サマータイム・ブルース』山本やよい
『魂よ眠れ』横山啓明
『バースト・ゾーン-爆裂地区-』吉村萬壱
『イスタンブールの群狼』和爾桃子
  出品しているのは河出書房新社、東京創元社、早川書房、国書刊行会で、じつははっきりした会期の告知が出ていないのだが、どうやら来年1月いっぱい開催されるらしい。

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2009年9月21日 (月)

『ベルおばさんが消えた朝』が読書感想画コンクールの指定図書に

 拙訳書『ベルおばさんが消えた朝 』が第21回読書感想画中央コンクールの指定図書に選ばれた。部門は中学校・高等学校の部。この機会に多くの方に読んでいただけるとうれしい。
 本が重版になるというのでチェックのために読み直してみたら、訳者がいうのもおかしいが、とてもおもしろかった(笑)。
 というのも、訳したときにいちばん心を砕いたのは、ふたりの子どもが背負っているものの重さをどう伝えるかだったが、少し時間がたった今回は、もっと自由に、アメリカ南部の日常や伝承文化を描いた部分を楽しむことができたのだ。
 はじめて原書にふれたときからずっと、読むたびにかならずあらたな顔を見せてくれる、不思議な作品だ。
 こちらのブログで指定図書の画像つきの紹介を見ることができるので、参考にしていただきたい。
 それにしても、本を読んでその感想を絵で描くって、すごくたいへんそう。私にはできそうもありません(笑)。どんな絵ができてくるのか、いまから楽しみだ。

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2009年5月29日 (金)

片岡まみこ版画展「黒猫のいるところ」

Photo  本の挿し絵でご活躍の、片岡まみこさんの個展を見てきた。題して「黒猫のいるところ」
 片岡さんはコルク人形も作っておられるようだが、今回は版画展。しかも、猫、猫、猫――見ていてやさしい気持ちになれる版画ばかりだ。
 とくに好きだったのは「黒猫がいない日」という作品。いくつもの大輪のお花のど真ん中に、白猫の顔が描かれていて、その顔の表情がなんとも微妙(に見えたのは、猫のことがよくわかってないせいか)。わたしはどちらかというと犬派で猫は謎の動物なのだが、こういう猫たちを見た後、出会った本物の猫が、なぜかいつもより表情豊かに見えた(笑)。
 そして、ギャラリー・マァルもすてきな画廊だった。恵比寿の駅からすぐなのだけれど、とても駅前とは思えない靜かな小路にある。しかも、大きなあじさいの陰にかくれるようにして。雨に濡れたあじさいのあいだをすりぬけて中に入ると、ちがう時間の流れる場所にまぎれこんだような気さえする。
 会期は31日(日)までと残り少ないが、お近くにお住まいの方、猫がお好きな方、いえ、そうでない方も、ぜひ行ってみてください。
 なお、片岡さんが挿し絵を担当された一番新しい本『ぼくのネコにはウサギのしっぽ 』は、会場で買うことができる。
 これは朽木祥作の、猫と犬をめぐる物語3作品をおさめたもの。朽木さんといえば、動物を書かせたらおもしろいことまちがいなしの作家なので、わたしは迷わずゲット(笑)。

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2009年5月28日 (木)

『メニメニハート』

メニメニハート』という不思議なタイトルと、なんとも可愛らしい表紙で、ん?と思った。特にタイトルが耳から離れてくれず、もう読むっきゃないということに(笑)。で、……おもしろかった! 令丈さん、勢いあるなあ、すごいなあ。
 どこがすごいって、まず語り手でもある主人公の男の子。この子は、部屋の整理整頓が趣味で、テレビの家屋改造番組は欠かさず見てるし、百円均一ショップに行って使えそうなグッズを買ってきては「収納」の工夫を楽しんでいる。だから、学校生活は「さーっと流して即(家に)帰りたい」。
 そんなコクニ君(ほんとはオグニ君なんだけど、ま、それはおいておいて)をあいだにはさんで、まったく性格のちがう二人の女の子が、ぶつかりあったり、なぜか歩み合ったり……おおいに笑わせ、そしてちょっぴり泣かせてくれる。それにつれてコクニ君は学校生活を流してばかりいるわけにもいかなくなり……。うーん、うまい。
 このコクニ君のおもしろいところは、こうした最先端の趣味をもつ反面、みんなに「昭和の男」と呼ばれるような、時代に一歩乗り遅れた天然キャラであること。
 令丈さんの作品には、いつも何かしら昔なつかしい登場人物や要素が埋め込まれていて、ほっとさせてくれると同時に、超現代的な世界を描いた作品に安定感と厚みが出ているような気がする。今回は、主人公自身にその要素があるというわけだ。
 自分が昭和生まれだからいうわけではないが、「昭和の男」。うーん、いいなあ。いや、ほんとに日本のYAはおもしろい。
 ところで池袋ジュンク堂で昨日まで「日本YA作家クラブ発足記念フェア」というのが行なわれていて、同クラブ世話人四氏によるお奨めのYAが並べてあった。令丈さんも世話人のお一人で、彼女が選んだお奨めの本の中に『エヴァが目ざめるとき 』というSFも。
 じつは『メニメニ……』はハートが入れ替わる話なのだが、この翻訳SFもそう。作品のタッチは全然ちがって、ちょっとこわいが、よく考えてみると、『メニメニ』もこわいといえばこわいかも。両方並べて読んでみたらなかなか興味深かった。みなさんもどうぞお試しを。

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2009年5月 2日 (土)

『花笠若衆』

 というわけで、さっそく見てきた。「東映・時代劇まつり」。(情報はこちらで→ http://t-joy.net/jidaigeki/
 いやあ、楽しかった!
 映画がはじまると、まず画面に「総天然色」という巨大な文字。そうか、この映画がつくられた1958年当時は「テクニカラー」だったんだ。バックに流れる音楽は、美空ひばりの「お祭りマンボ」~祭りだ祭りだ、わっしょい、わっしょい~。
 吉原の花魁道中がしずしずと進む中、いかにも悪役といった侍が言いがかりをつけて、町娘に乱暴をはたらこうとする。そこへ、若衆姿のひばりが登場。刀をふりまわす侍たちに対して、ひばりは傘を使っての立ち回り。どこぞの若様といった風情の若侍の助太刀もあって、みごと、悪い侍を追い払う。
 場面は変わって、ひばりの育ての親である江戸の侠客吉兵衛の家。吉兵衛を実の父と信ずるひばりは、日課である将棋の相手をする。その表情がなんともキュートだ。
 最後に、吉兵衛を殺されたひばりが、お姫様の姿で(ほんとうは双子のお姫様の片割れだったのだ!)、但馬のお城に乗り込む。お世継ぎ発表が行なわれている大広間に姿を現わすや、かんざしを投げ捨て、お姫様の衣裳を引き抜いたかと思うと、あでやかな若衆姿に。ちゃんちゃんばらばらのすえに、悪人たちをやっつける。
 お城に同道した若侍にひそかに思いを寄せていたひばりだったが、当の若侍はお城のお姫様である姉(ひばりの二役)の婚約者。ひばりは身を引いて江戸に帰って行く。
 秋が来て、神田祭りの山車の上で、ひばりが秋空をバックに祭りの太鼓を打ち鳴らすところで、映画は完。
 ああ、これぞ、エンターテインメント。めんどうなことは何もかも忘れて、見入ってしまった。かつて日本にも、映画がこんなふうにワクワクするものだった時代があったんだ。
 ちょっと寂しい客席が残念で、もっとたくさんの人に見てほしいと思った。テレビでもときどきやっているようだが、劇場での上映はスケール感がまるでちがう。こうなったら、次の作品も、ぜったい見にこなくては(笑)。

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2009年5月 1日 (金)

『月下花伝-時の橋を駆けて-』

 越水利江子作『月下花伝―時の橋を駆けて 』を読んだ。
 主人公の少女が祖父の家の倉庫で、古い時代劇映画のフィルムを見つけたことから、幕末に生きた新撰組の世界が現代に現出する。
 時代劇風の場面に圧倒的なリアリティがあり、沖田総司がなんともういういしくかっこいい。戦いのすえに若くして病死するこの剣士と、親代わりだった祖父を亡くした孤独な少女との出会いが、せつない。
 一方で、主人公が飛びこむ映画の世界の描写にはバイタリティがあふれ、主人公には雑草のような強さが感じられる。そんな主人公だからこそ、ぜったいにかなわぬ恋がよけいにせつないのかもしれない。
 この物語を読みながら、小さいころ、祖母に時代劇映画を見に連れていってもらったことを思い出した。こちらは帰りにデパートの食堂であんみつを食べさせてもらうのが楽しみで、映画の方は、細長いモノクロのスクリーンでちゃんちゃんばらばらやっていたという記憶が、あるような、ないような。
 はなはだ連れていきがいのないお供だったのだが、それでもこの時の映画はわたしの記憶の奥底に残っているらしく、仕事柄バタ臭いものばかり読んでいるいまでも、いったん時代物にハマリはじめると、しばらくはやめられなくなる。越水さんも、ほかに『花天新選組―君よいつの日か会おう』 といった作品を書いていて、ハマリそうな危ない予感(笑)。
 そう思っていたら、たまたま行った近所の映画館で、「東映・時代劇まつり」というのがはじまったことを知った。これから一年にわたって、東映の時代劇26作品を連続上映するというのだ。製作年は1954年から70年代まで。これはもう、見ないわけにいかない。
 でも、困った! 今年は、歌舞伎座が「さよなら公演」をやっていて、こちらも見たいものがいっぱいあるし……。楽しく悩みながら、まずは仕事にかかることにしよう。

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2009年4月30日 (木)

『レッドデータガール』

 荻原規子作『RDG レッドデータガール  はじめてのお使い (銀のさじ) 』を読んだ。
 熊野の山奥の神社に住む女の子のお話。冒頭、ゆれうごく思春期の女の子の心理と超常現象的なものが、うまく組み合わせられて……と、思っていたら、後半、ぐんぐんフカシギなお話の方へ。そのスピードたるやものすごく、すっかり寝そびれてしまった。
 わたしも、お稲荷さんに力をもらったと信じている外気功の施療師に治療してもらって、かなり効いたという体験をしたこともあるし、そうしたフカシギなできごとを受け入れる素地はもっていると思う。けれど、わたしがかかわるのは治療どまりで、怖くてそれ以上知ろうという気にはなれない。
 ところが、荻原さんは怖いなんて意気地のないことは言わず、さっさと踏みこんですごい物語世界を構成してしまう。いやはや、剛胆と言うか、なんというか……。そういうところが、作家になる人と普通の人間とのちがいなのだろう。
 5月末には第2巻が出るそうだ。作者のブログによると、思い切り学園もの、なのだとか。こんどは、どんな驚きを提供してくれるのだろう。楽しみだ。

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2009年4月12日 (日)

『風の靴』

 朽木祥 作『風の靴』を読んだ。(画像からBK1、文字列からAmazonの、購入サイトにリンク
 主人公は、いつも兄とくらべられ、そのプレッシャーに押しつぶされそうになっている少年、海生(かいせい)。彼は大好きなおじいちゃんが急死したのをきっかけに、家出を決行する。同行するのは、愛犬と親友という気心の知れた一匹と一人……だけのはずだったが、親友の幼い妹が兄たちの冒険を嗅ぎつけてあらわれ、強引に仲間に加わる。そして、もう一人、波間を漂流していた謎の男性も。四人と一匹は、おじいちゃんのヨットが係留してある風色湾をめざし、さらにおじいちゃんが宝箱を埋めたという秘密の入江へ――。
 海生は、思いがけなく出会ったおじいちゃんの言葉と、仲間の存在に支えられて、自分の行くべき道を発見するのだが、読み終わったいま、深く心に残っているのは、この作品に描かれている海のすばらしさだ。朝焼けに照らされた湾の静けさ。秘密の入江でのキャンプファイアーで、みんなが入っていってワンワン・ざぶざぶと駆けまわる浅瀬の水のきらめき。海生はほんとうは、こうした海と対話することで、自分を見いだしたのかもしれない。
 海というと、海水浴のビーチしか思い浮かばないわたしだが、ヨットに乗る人の陸地でのそれとはちがう視線と、彼らが体験するであろう「時間」の流れを、うらやましく思った。
 ちなみに、作品の冒頭から海生の思いの中で、影のように重圧を与えつづける兄が、最後に登場して、海生にはうれしい告白をする。
 画面トップの書影はリンクのためにのウェブ書店のものを使ったが、表紙の美しさを十分に伝えられないのが残念。ぜひ、書店で実物を手にとって見てほしい。ついでに、そっと表紙のカバーをめくってみると――なんとも贅沢な装丁があらわれる。これは、かなりうらやましかった(笑)。
 朽木祥さんといえば、『かはたれ』『たそかれ』『彼岸花はきつねのかんざし』といったファンタジーで知られるが、これはリアリズムの長編第一作。この作品には、主人公以外にもさまざまな物語をもった人物が登場するので、今後彼らの物語がくわしく読める日がくるのかもしれない。期待して待ちたいと思う。

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2009年3月30日 (月)

『ベルおばさんが消えた朝』店頭に

Belletokuma  昨年から訳していた『ベルおばさんが消えた朝(徳間書店)』が刊行され、店頭に並んだ。
 物語の舞台は、アメリカのアパラチア山中にある小さな町。心に傷を負ったふたりの子どもが、この町で隣あって暮らしはじめ、おたがいの存在があることで変わり、成長していく。この部分をどう読むかは、読者によって、またその人がどんな人生経験をしてきたかによって、かなりちがってくるのではないかと思う。
 わたし自身は、自分の体験に重なるところがあったせいか、翻訳に持てる力をすべて出し尽くした感じだった。情けないことに、訳者あとがきを書くときには、完全なガス欠状態(笑)。
 そんなふがいない訳者を勇気づけるかのように、日ごろたくさんの児童書を読んでおられる方たちが、すばらしいレビューを書いてくださった。
 1day1bookおいしい本箱えるふ通信 で読むことができる。
 それぞれちがった切り口で書かれており、合わせて読むと、この本の持つさまざまな顔が全部見えてくる。ぜひ、読んでみていただきたい。そんなことができるものなら、本の訳者あとがきから「リンク」を貼って、これらのサイトにジャンプできるようにしたいくらいだ(笑)。
 レビューを読ませていただきながら、つくづく感じた。本というのは、作者や翻訳者が生みだして、それで終わりではなく、世の中に出てからは、読んでくださる方たちに育てられるのだ、と。レビューを書いてくださった方たちに、そして、これから読んでくださる読者のみなさんに、感謝!

ベルおばさんが消えた朝 』をAmazon.co.jpで買う( 左のタイトルをクリックしてください)。BK1で買う
 ホームページでも紹介しています。よかったら、見てみてください。

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